ジモハック湘南編集長こうちゃんです!
自給人特集第2弾は、無農薬・プラスチックフリー製品を販売する『エコストア パパラギ』さんを取材させて頂きました!
自給人とは、素材にこだわって自給自足するような人を指します。
湘南エリアは、実は海だけではありません。意外にも(?)素材にこだわって、美味しいものを作ったり、良いものを提供する人やお店が多いんです。
自給人特集では、そんな素材にこだわって頑張っている人たちにスポットを当てて、インタビューをしていきます!
無農薬&プラスチックフリーを掲げるエコストア・パパラギ
藤沢駅から徒歩5分の場所に店を構える『エコストアパパラギ』にやってきました。
お店に着くと、いきなり『無料給水スポット』の文字。
なんと、パパラギでは浄水器を設置した美味しい水を、無料で提供しているそうです。
マイボトルを持つ人の為に無料給水スポットを設置しているお店は藤沢ではまだ数が少なく、パパラギはこの無料給水スポットを街に普及させる活動もしています。何やら強い信念のようなものを感じますね…!
さっそく中に入ってみましょう!
中に入ると、食品や生活用品などがズラリ。
パパラギは、元々はダイニングスクールが発祥のお店で、『陸での生活スタイルを変えれば、人も海も地球も元気を取り戻せるかもしれない』という想いで立ち上げたお店で、以下のこだわりを持って運営しています。
- 無農薬&無化学肥料の食品を販売
- プラスチックフリー商品の販売
- 食品などは量り売りで販売
無農薬の野菜やお米はもちろん、プラスチックフリーの生活用品や家具まで、体や環境に優しいものが揃っているエコストア。さらに、無駄なビニールを出さないために、量り売りを徹底しています。
パパラギでは、45年以上無農薬・無化学肥料でお米の栽培を続けている、千葉県三芳村のお米を販売されています。
お米は1キロから購入可能だそうです。
こちらは無農薬のお米や野菜を食べて、平飼いで育てた鶏の有精卵。
野菜は果物も、パッケージ化のまとめ買いスタイルではなく、1個ずつから買える量り売りスタイル。
オーガニックのハーブティーも揃っていて、全て量り売り。グラムで料金が決まっています。
好きな容器を持ってくるか、紙袋(有料)で、好きな量のハーブティーを購入できます。
最近人気のグルテンフリー&白砂糖・乳製品・卵等を使っていないヴィーガンのお菓子。お菓子も1個から購入ができます。
さらに、パパラギで揃えているのは、食品だけではありません。
生活用品もプラスチックフリーにこだわりを持っています。
こちらは、海や川に流れても生分解される洗剤。こちらも量り売りです。
その他には、竹で作ったコーヒーカップやオーガニックコットンと蜜蝋で作られたエコラップ、シリコンで作られた保存調理器具『Stasher』などなど、プラスチックフリーの生活用品が何でも揃ってる充実っぷり。
エコラップは、繰り返し使えるからゴミが増えない!
エコストアパパラギは、もはやプラスチックフリーのテーマパーク!
『へ~こんな便利なエコグッズがあったんだ!』と何度も言ってしまうくらい、面白い商品が多いので、店内を見て回るだけでも楽しいです。
ですが、エコストアパパラギは、なぜここまで無農薬・プラスチックフリーにこだわるのでしょうか??
その理由を、株式会社パパラギの武本康平さんにインタビューさせて頂きました。
ダイビングインストラクターから感じた、海の環境変化
本日は、よろしくお願いいたします。
まず最初に、パパラギというお店を始めた経緯を教えて頂けますでしょうか?
元々は、父が35年前に南藤沢に『パパラギダイビングスクール』というダイビングスクールを立ち上げて、今もいくつか支店を持って運営しています。そこで、家族4人(武本さん・弟・父・母)でダイビングのインストラクターをしていました。
6年くらい前に父がインストラクターを引退して、そのタイミングで僕と弟もそれぞれ別の仕事を始めました。
最初はダイビングスクールだったんですね!
そうなんです。父は約40年程ダイビングをしてきたので、海の環境がかなり変化していることを見ていました。
最初の20年はどこの海も綺麗だったのですが、その後の20年間はどんどん壊されていく海を見て、胸が締め付けられる想いだったそうです。
それで、なんとかしないといけないということで、環境活動家として活動をスタートしました。
なるほど。具体的には、どんな活動をしていたのでしょうか?
自ら操船するヨットでミクロネシアの島々、アメリカの水爆実験が行われていたビキニ環礁などを訪れて、現地の人にインタビューをしたり、水温上昇の状況を測ったり、島のプラスチックゴミの現状を確認したりなどを、3年間ほど調査していました。
そして、日本に戻ってくるたびに講演会やセミナーで現状を知ってもらう活動をしていました。
なるほど。
その間、僕は地元の鎌倉で縁あって不動産会社でイチから仕事を始めて、弟は飲食の経営をしたり、内装の仕事を受けたりしながら経験を積んでいました。
そんな中で、また家族で仕事がしたいという話がありました。そこで出てきたのがプラスチックフリーのお店を始めようということで、このパパラギのお店が始まりました。
プラスチックに対する問題意識は環境活動をしているときに、大きくなったのでしょうか?
そうですね。太平洋上で航海しているときは、陸や船の姿が見えないような海域でも、常にゴミだけは浮いてる状況なんです。
その中でも目立つのが漁師さんの浮きが流されていたり、大きいボトルやペットボトルなどのゴミが、どこまで行ってもあります。
どんなに綺麗な南の島の海でも、必ずビーチには物凄い量のゴミが流れ着いているそうです。
それも遠い日本などから流れ着いてるであろう漁具や網、ペットボトルの蓋などがあって、父は危機感を感じていたようです。
生活の中から環境変えていく提案をしているパパラギ
そんな遠い場所でも日本のゴミが…。海を汚すのは、家庭からのゴミが多いんでしょうか?
実際には、どれが1番多いかはハッキリ言えないところはあるのですが、企業の活動が1番環境を破壊するとは言われています。
あとは、生活の中から変えていくという観点で、農薬とプラスチックがあります。
なるほど。具体的には、どういう影響があるんでしょうか?
例えば、除草剤のような農薬がまかれている場所の近くの海を潜ると、海藻が全く生えてなかったりするんですね。さらに、海藻がないと魚や貝が少なくなってしまいます。
なので、農薬は直接口に入れるものだけでなく、海に対しても影響を与えてしまうんです。
プラスチックフリーに関しては、どういうことを意識しているのでしょうか?
ビニールのゴミを店や家庭から出さないことを意識しています。
例えば、ハーブティーを販売する時も、ビニールで包装してパッケージ化した方が売れやすいし、品質も保持されやすいですよね。ですが、その分たくさんのビニールのゴミが出てしまいます。
ふむふむ。
だから、何でもパッケージ化するのではなくて、好きな入れ物などを持ってきて頂いて、好きな量を量り売りで購入して頂けたら余計なゴミが出ないですよね。
そういう提案をするために、パパラギでは無農薬の商品と量り売りで販売をしています。
なるほど。パパラギさんは、本当に無農薬と量り売りは徹底してますよね。
このマシンは何ですか??
このマシンは、ナッツグラインダーといって、ナッツの油分だけでペーストを作れちゃうんです。無添加でも美味しいんですよ。
食べてみますか??
お…美味しい!!なにも入れなくてもこんなに美味しいんですね(感動)
その他には、どんな商品があるんでしょうか?
植物性のスポンジ等も販売しています。
普通のプラスチックのスポンジは、使うと細かくなってマイクロプラスチックとして流れてしまうんですね。
ですが、植物性のスポンジを使えば、土に還ってくれるんです。
びわこふきんと和太布は、洗剤を使わずにお皿を洗ったりすることができるんですよ。
口コミで広がるパパラギのプラスチックフリーのコンセプト
なるほど~こんなものもあるんですね。
こういう色んなものはどうやって知って、どうやって仕入れるんでしょうか?
最初は自分たちで『無農薬のお米を栽培してる農家さん知りませんか?』みたいに聞いて探したり、人づてで聞いたりしていました。
実際に、お米に関しては千葉なので、家族全員で千葉まで車で農家さんを訪ねたりしていました。
千葉まで家族全員で!?凄い熱意ですね!
そうなんです。あとは、紹介して頂くことが多いですね。
お店をオープンしてからは、パパラギの活動を知って『ぜひ量り売りで売って欲しいから』ということで直接連絡して頂くこともあります。
その他に、お客さんから『ぜひこの商品をパパラギにおいて欲しい』というの紹介も多いです。
なるほど。環境保全に対する意識が高い人からの口コミが多いんですね。
お客さんはどういう人が多いんでしょうか?
お客さんは、パパラギのコンセプト(無農薬・プラスチックフリー・量り売り)を知って、お店に来ていただくことが多いです。
プラスチックフリーのお店は、全国で初めてだったみたいで、新聞やテレビ、雑誌、ラジオ等色んなメディアに取り上げて頂いて、2019年の夏くらいから全国からお客さんに来てくださるようになっています。
全国から!?例えば、どういうお客さんがいるんですか?
例えば、昨日は九州の方から来て頂いた方がいました。
やはりその方も九州でゴミをなるべく出さないような活動をしていて、ぜひ参考にしたいということで来店してくださいました。
九州から…!
1月には大阪の方で、パパラギとかなり近いスタイルでお店を始めた方がいらっしゃいます。
その方も去年『ぜひ参考にさせて欲しい』ということで連絡してくださった方で、商品ラインアップや仕入れ先などもお伝えしました。
そんな感じで、少しずつ活動が広まっています。
食べ物から住む場所まで全て相談が受けられるエコライフ不動産
株式会社パパラギは、エコストアとエコライフ不動産を運営してると伺いましたが、なぜエコストアだけでなく、不動産も運営しているのでしょうか?
僕が不動産の仕事ができて、弟は内装の仕事もやっていたので、それぞれ得意分野を合わせてできることがあるんじゃないかと考えて、不動産の部門も置いています。
エコライフ不動産としては、食べ物から住む場所まで全て相談が受けられるスタイルを考えてやっています。
一般的な賃貸や売買のご相談も受けていますが、少し立場が弱い方の相談も受けられるようにしたいという想いもあって、障害者や高齢者の方の住宅探しも承っています。
なるほど。
それに加えて、化学物質過敏症の方に対応する住宅探しも受けています。
普通の不動産屋さんだと、綺麗にリフォームしていても、接着剤などが化学物質を発しているので、化学物質過敏症の方が相談にすらお店に入れないこともあります。
ですが、エコライフ不動産は、化学物質過敏症の方でも入ってこれるように、天然の素材や化学物質なるべく使っていない家具などを置いて内装をしています。
化学物質を気にしていない家に住んでると体に悪かったりするんでしょうか?
そうですね。目に見えないものなので、なかなかわかりにくいんですが、呼吸するだけで体に蓄積されてしまうものなので、その許容量があるんですね。
その許容量を超えてしまうとアレルギー症状が出たり、頭痛がしたりという症状が出てくることがあります。
あと、お子さんにはとってもあまり良いとは言えないですね。
食べ物に関しては気にしていましたが、家や家具に関しては、全く意識がいっていませんでした。
まずは、パパラギで揃っている商品で意識してみます!
量り売りでオーガニック製品が普通に街で買えるようになって欲しい
最後に、パパラギが目指す未来を教えて頂けますか?
まずは量り売りでオーガニックのものが普通に街で買えるようになって欲しいなと思っています。
つまり、環境に負荷を与えず持続可能な生活ができるようなお店が増えていくことが、僕らの希望です。
確かに、現状だと環境を汚してるだけですもんね。
そうなんですよね。
スーパーにいくと、全部ビニールに入って包装されていますよね。
やっぱり、主婦の方に多いんですが、毎日プラスチックやビニール袋などのゴミが出てことになるので、ゴミ出したくなくても買わざるを得ない状況が嫌になっている人も多いです。
だから、パパラギに来てくださる方は、量り売りができるところを探してきてくださる方も多いです。
そうですよね。まとめて買うのが当たり前になってますよね。
そうなんです。例えば、みかんでも5個や10個でまとめてビニールに入ってることも多いですよね。
パパラギでは、1個からも買えるようにしているのですが、その方が食品のロスも少なくできますし、余計なビニールのゴミも出す必要もありません。
このように、環境を大事にしたいという想いがある方が、普通に買い物ができるようなお店が増えていって欲しいですね。
なるほど。確かにパパラギみたいなお店が多くなれば、環境に対する意識も高まりそうです。
僕も食に関しては意識はありましたが、プラスチックや家具に対する意識が高まりました!
竹のコーヒーカップ愛用します♥
エコストアパパラギの概要
店名 | エコストアパパラギ |
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ジャンル | 無農薬食品の販売、プラスチックフリー商品の販売 |
住所 | 〒251-0025 神奈川県藤沢市鵠沼石上1丁目3−6 |
アクセス | 藤沢駅から徒歩5分 |
営業時間 | 10時00分~19時00分 |
定休日 | 水曜 |
問い合わせ先 | 0466-50-0117 |
公式サイト | https://ecostorepapalagi.com/ |